「世の中は競争だ。敗けたやつは力がなかったんだから、ガタガタ言わずにあきらめるしかないんだ」。こんな言葉を聞くことがあるでしょう。「人間には本能として闘争心がある。だからいつでもどこでも競争が起きる・競争こそ社会の活力、推進力だ」という主張も聞くでしょう。幼にして耳に障害をもち、なにごとにつけ力不足を実感しつづけている私は、そういう言葉を聞くたびに、暗然とした気持ちになりました。「おまえなんか弱者。引っこめ引っこめ」とドヤシつけられるような気がしました。そして「ちがうんじゃないかな」と思うようになり、その思いをはっきりさせたくて経済学者になってしまったと言えそうです。競争は経済のしくみと動行とを解明するうえでのキイワードとして経済学で用いられています。
理工系学生の製造業離れが加速すると、メーカーは有能な人材を確保できなくなります。『中小企業白書』によると、製造業の開業率はかつて6%程度でしたが、この数年は3%台で低迷しています。その背景には、若者の製造業離れが大きく響いています。中小企業は、企業家精神に富んだ人々の活躍の場です。そこへ若者が集まらなくなれば、産業の新陳代謝もままなりません。大手企業も、若者を確保するのに四苦八苦しています。工場で働く若者の定着率が悪くなり、研究開発部門でも長時間勤務を嫌って辞めていく研究者が増加しています。メーカーのPR作戦もある程度は有効でしょうが、それだけでは若者の心をつかめません。各企業が人事・労務管理の面で改善していくのはもちろんですが、モノづくりの魅力を高めなければ、製造業への就職希望者は増えません。メーカー側の自助努力とともに、中学生や高校生が科学技術やモノづくりにもっと関心を持つように、教育の面でも工夫が必要だという人もいます。
日本イベント産業振興協会によると、イベント市場は3兆円を超えると推計されている。そのなかには博覧会とか国際会議のような直接販売促進に関連のないものも含まれているわけだが、イベント業界にとっては大切な収入源であることは疑いもない。また長野オリンピックやサッカーのワールドカップのような世界的な規模のスポーツイベントは、単にイベント業界だけでなく広告業界やメディアにとってもおいしい収入源である。これらのイベントは多くの業者によって運営されることになる。主催者の下には、広告会社、あるいはイベント企画会社はいうに及ばず、イベントをAVの面から盛り上げる音響映像会社、各種の機器機材を提供しレンタルする会社、展示ブースや大道具をつくるディスプレー会社、コンパニオンや司会者、ときにはぬいぐるみのなかに入る人間や安全を確保するためのガードマンのような人間を派遣する人材派遣会社などがイベント市場をサポートしている。イベントは各種の専門会社の連係プレーによって実施されることになり、それをプロデュースするのが広告会社や企画会社ということになる。実際、イベントの実施は最終的には多くの人間の手をわずらわせることから、人海戦術となる。たとえば、マラソン大会を例にとってみよう。大会を運営するスタッフ以外に警備をするスタッフだけでも、アルバイトや警備会社のプロのガードマン、さらには警察官による交通整理、警備は欠かすことはできない。しかも42キロメートルに渡ってこれらの人間を配備しなくてはならない。まさに、イベントは人海戦術で行なわれているのである。